「広報」と「PR」は、会社の中でも同じ意味で使われがちです。実は両者は重なる概念で、きれいに分けられるものではありません。この記事では、広報・PR・広告の考え方を整理し、担当者がいない小さな会社が最初の30分でやることを紹介します。

1. 言葉の意味

  • 日本広報学会は、「広報」「パブリック・リレーションズ(PR)」「コーポレート・コミュニケーション」を、細かいニュアンスの違いはあるものの、同じ意味の概念として捉えています(同学会「広報概念の定義」)。実務では使い分けられることも多いため、この記事では「社内外の声を聞き、情報発信や対話を通じて関係を築く活動」として扱います。
  • メディア掲載を通じて伝える活動(パブリシティ)は、広報の活動の一部です。
  • 広告は、お金を払って掲載・配信する手段です。広報・PRとは仕組みが違います。

2. 広告との違い

  • 広告:有料で媒体に出す。媒体の審査・規定の範囲で、広告主が内容を決める。対象を指定して配信できるが、見られるか・反応があるかは保証されない。
  • 自社発信(サイト・SNS・お知らせ):自分の場所で自由に出せる。届く範囲は育てる必要がある。
  • パブリシティ(記者・編集者に取り上げてもらう):掲載は相手の判断。新しさ・役に立つ点に加え、媒体の読者層や時期でも決まる。

3. 比較表

項目 自社発信 パブリシティ 広告
内容の決め方 自分で決める 相手の判断が入る 媒体の規定の範囲で自分で決める
費用 人件費・制作費 人件費・制作費(配信費・外注費が加わることも) 人件費・制作費+出稿費
載る・出る確実さ 自分で出せる 約束できない 条件を満たせば出せる
見られる保証 なし なし なし

リリースを出すときの具体的な書き方は、プレスリリースの書き方|記者が読みやすい構成と、読まれにくい書き方の直し方にまとめています。

※第三者による報道が信頼につながる場合はありますが、媒体・内容・受け手によって異なります。

4. 小さな会社の「最初の30分」(担当者がいない場合)

  1. 伝えたい相手を1つ決める(既存のお客様/これから探す人/取引先 など)。
  2. その相手からよく聞かれる質問を3つ書き出す。
  3. 3つの回答をサイトに載せ、問い合わせ先を分かる場所に出す(窓口は社長でもよい)。
  4. 月に1つ「新しいこと」(新サービス・変化・お客様の声)を書き出し、1つをプレスリリースにする。
  5. 結果を記録する:掲載の有無、問い合わせの内容、お客様からの質問。次の発信を直す材料にする。

5. よくある勘違い

  • 「プレスリリースを配信すれば載る」→ 新しさ・有用性に加え、媒体の読者層や時期などで掲載が判断される。配信は約束にならない。
  • 「認知は広告、信頼はPR」→ 広告も広報・PRも、認知や信頼に関わる。目的・期限・予算に合わせて組み合わせる。

まとめ

広報とPRは重なる概念で、パブリシティはその一部、広告は買って出す手段。担当者がいない会社は、相手を1つ決めて、よくある質問3つを答えとしてサイトに出すところから始める。